母と娘のクリーチャーホラーフィンランドのクリーチャー系ホラーです。クリーチャーものを好んで見ることはありませんが、フィンランド映画ということで挑戦してみました。フィンランドということに特に意味があるわけではなく、このところ劇場公開される海外の映画の製作国が英米仏あたりに偏っている気がしますので、そうじゃない映画を見ようと思ったということです。中南...
暗殺者は身近な者の顔でやってくる他人の体を乗っ取って殺人を犯す殺し屋の話です。監督はブランドン・クローネンバーグさん、その名前から想像できるとおり、デヴィッド・クローネンバーグ監督の息子さんです。1980年生まれですから42歳くらいということになります。私は見ていませんが、2013年に「アンチヴァイラル」という映画で長編デビューしています。この映...
ケネス・ブラナー、郷愁のファミリーストーリーケネス・ブラナー監督の自伝的な映画と言われています。同じ意味合いの映画ではアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」が思い出されますが、どちらもモノクロ映像です。やはりノスタルジーという感覚から考えれば当然の選択ということでしょうか。その「ROMA/ローマ」はかなり感傷的な映画でしたが、この「ベ...
翻訳家の男の存在感が足りません。ミスキャストでしょう。もう2年前になりますが、この映画の監督の前作「黒四角」をDVDで見て、こういう映画をきっちり撮れる監督が日本にもいるんだ(劇場公開される映画でという意味)と興味を持ち、さらにさかのぼって宮﨑あおいさんとARATA(当時)さんの「青い車」まで見てしまったという奥原浩志監督の最新作です。2年前とい...
正統派伝記映画にすべきだった映画の邦題というのはどんなタイトルをつけてもあれこれ言われるものだとは思いますが、それにしても、この「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」はもう少し考えないと長すぎて肝心の「ビリー・ホリデイ」が三点リーダーに省略されてしまいます。「奇妙な果実」とかにすればよかったんじゃないでしょうか。ビリー・ホリデイの代...
その時生きている空間をその時の出会いで撮った映画ホームビデオみたいな映画です。だからといってダメというわけでもありませんが、さすがにこれを2時間見続けるのはつらいです。春原さんのうた / 監督:杉田協士なにがホームビデオ的なのか?ひとことでいいますと、映画を撮っている人の、ここでは杉田協士監督ですが、その人のなに...
ファンタジーだが、新鮮な感覚を感じる身体的性と性自認が一致している女性ユイとFtMトランスジェンダーの真也の10年にわたる恋愛を描いた映画です。いやあ、面白かったです。社会からの偏見や差別という視点ではなく、それこそユイと真也の「フタリノセカイ」に絞って描いていますのでとても新鮮な感じを受けました。フタリノセカイ / 監...
俳優の重厚さのわりにグッチ一族が薄っぺらくみえる「アリー スター誕生」のガガさん、よかったです。アダム・ドライバーさんの方は「マリッジ・ストーリー」「パターソン」が印象に残っています。その二人の共演なら見なくちゃいけないでしょう。それにアル・パチーノ、ジャレッド・レト、期待が持てます。俳優のレベルは高いのだが…ネタバレあらすじ「ゴッドフ...
脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...
ある日、父親が女性になると宣言する11歳と14歳の娘を持つ父親がトランスセクシュアルするデンマークの映画です。LGBTQをテーマにした映画も随分多くなってきましたが、この映画はその当事者である父親に焦点をあてているわけではなく、11歳の娘がそのことをどうとらえ、どう変わっていくかを描こうとしています。その視点自体もこれまであまりなかったのでは...
あるある型映画、傷つく恋愛映画は好まれない公開時(まだ今年のはじめだったんですね)、菅田将暉さんの映画ということでどんな映画だろうと映画.comを見たときに、かなり評価が高い上にちらっと見たレビューから「リアル」という言葉が飛び込んできたがために記憶に残っており、DVDで見てみました。花束みたいな恋をした / 監督:土井裕泰説明モノローグにびっくり...
ラブホテル舞台の昭和的ホームドラマみたいな映画2020年11月、ちょうど一年くらい前に公開された映画です。原作は2013年上半期直木賞受賞作、桜木紫乃さんの短編小説集『ホテルローヤル』です。ホテルローヤル / 監督:武正晴原作の評価は高いようだ映画はベタベタネタバレあらすじ廃墟の「ホテルローヤル」雅代、「ホテルローヤル」のオーナーになるミ...
犬は男?うさぎは女?隠されたセクシュアリティ「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン監督です。今年2021年のヴェネチアで最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞しています。そう言えば随分名前を耳にしていないなあとウィキペディアを見てみましたら、12年ぶりの監督作品とのことです。私は「ピアノ・レッスン」以来かもしれません。「トップ・オブ・ザ・レイク」という2013年のテ...
人種差別、人身売買。エンターテインメントか、社会批判かよく練られたシナリオに作り込まれた映像、面白い映画です。ただ、批評性をもったテーマですので、エンターテインメント性が強い分、つくり手自らにその批評性がはね返ってくるのではないかと思います。監督はチェニジア出身のカウテール・ベン・ハニアさん、2005年くらいからドキュメンタリーやショートの作品がクレジットされ...
なれなかったのではなく、なりたくなかったボクたちの25年ああ、これが2020年の日本なんだなあとつくづく感慨にふけざるを得ないような映画です。ボクたちはみんな大人になれなかった / 監督:森義仁残るのは虚しさだけ佐藤、加藤に会う佐藤、テレビ局の下請け仕事に就く佐藤と加藤、ラブホテルへいく普通が嫌いな加藤突然の別れ恋愛ドラマではなく、...
ダークファンタジーというよりもジェントリーファンタジーマッテオ・ガローネ監督は、自然主義的な社会派ドラマとファンタジーものを交互に撮るつもりなんでしょうか。「ゴモラ」「五日物語 3つの王国と3人の女」「ドッグマン」、そしてこの「ほんとうのピノッキオ」です。ほんとうのピノッキオ / 監督:マッテオ・ガローネ子ども向けなのか、大人向けなのか?人形...
女たちよ、失敗を恐れるな。やり直せばいいのだ。「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」で主演のビーニー・フェルドスタインさんありきの映画です。全シーン出ずっぱりです。内容は、キャトリン・モランというイギリスのジャーナリスト、作家、テレビ司会者など多方面で活躍している方の自伝的小説の映画化とのことです。ビルド・ア・ガール / 監督:コーキー・ギェ...
高畑充希さんら俳優が映画を救うタナダユキ監督の映画では初めてよかったと思った作品かもしれません(ペコリ)。「赤い文化住宅の初子」以来、数本は見ているのですが、どちらかと言いますとステレオタイプな人物でドラマをつくる印象が強く、過剰な演出を感じるからだと思います。でも、この映画は、そうした過剰さは多少感じられるにしても、俳優によって打ち消されていますし、そもそも...
藤原竜也×西野七瀬、男女バディーものでいけるんじゃないこの映画を見た理由は「鳩の撃退法」のタイトルにつられただけです(笑)。それだけ映画のタイトルは重要ということでもあります。原作者の佐藤正午さんの名前は見聞きはしていますが読んだことはなく、同名タイトルの原作も知らなかったということです。もちろん見る前にはざっと公式サイトを覗きましたのでわかって見てはいます。...
児童虐待が人情噺に利用されている現在の社会問題を昭和の価値観で片付けてしまってはなにも生まれないと思います。「10ANTS」という劇団の上西雄大さんという方が監督であり、主人公である男性を演じている映画です。劇団(兼芸能プロダクション)のウェブページをみてみますと、「かつての大映映画」とか「浪速の人情」などの言葉が踊っていますので、ああ、そういうことねと、それ...