俳優の無駄遣い。新しい女性アクション映画を。 このところ日本映画を見ることが続いていますのでちょっと気分転換にということと、ジェシカ・チャステイン、ペネロペ・クルス、ファン・ビンビン、ダイアン・クルーガー、ルピタ・ニョンゴという錚々たるメンバーということと、そして、さらに女性が主人公のスパイアクションものということで見に行ったのですが…...
その時生きている空間をその時の出会いで撮った映画 ホームビデオみたいな映画です。だからといってダメというわけでもありませんが、さすがにこれを2時間見続けるのはつらいです。春原さんのうた / 監督:杉田協士なにがホームビデオ的なのか?ひとことでいいますと、映画を撮っている人の、ここでは杉田協士監督ですが、その人のなに...
ファンタジーだが、新鮮な感覚を感じる 身体的性と性自認が一致している女性ユイとFtMトランスジェンダーの真也の10年にわたる恋愛を描いた映画です。いやあ、面白かったです。社会からの偏見や差別という視点ではなく、それこそユイと真也の「フタリノセカイ」に絞って描いていますのでとても新鮮な感じを受けました。フタリノセカイ / 監...
終始正論で迫られ涙を流さざるを得ない 世の中の不条理に対して終始正論で迫ってきますので涙を流さざるを得なくなる映画です。保護司 阿川佳代交錯する阿川佳代と工藤誠の物語阿川佳代の物語(現在)工藤誠の物語(現在)拳銃強奪、連続殺人事件工藤兄弟の物語(過去)阿川佳代の物語(過去)そして、事件は終幕へ阿川、工藤を説得する...
批評性のない社会派映画は見ていてつらい 久しぶりに後味の悪い映画を見ました。いや、後味だけではなく中味(そんなものはないから途中の味?)もです。映画の中で起きることに対してというわけではなく、そもそもの制作者たちの価値観がとても気になります。映画の、ひいては制作者の価値観が気持ち悪い性的暴行を許容しているかのようホラー映画のようなセットはな...
しゃかりきにドラマを求めてもドラマは生まれない 「岬の兄妹」の片山慎三監督です。「岬の兄妹」ではかなり辛辣なことを書きましたのでよく覚えています。この「さがす」が商業デビュー作とありますので、あれは自主制作だったということです。そして、それが評価されたということでしょう。しゃかりきにドラマを求めても核がなければドラマは生まれない楓はど...
CODAはChildren of Deaf Adults、また主題とは違うもの 聴覚障害を持つ両親と兄の手話通訳者として家族を支える高校生ルビーが、自分の進路に悩み、そして羽ばたくという青春映画です。2014年の「エール!」というフランス映画のリメイクとのことです。見ていませんので予告編で触りを見てみましたら、つくりはほぼ同じような印象です。...
人はひとりでは生きられない、思い出にも生きられない 人間とロボットやアンドロイドとの恋愛を描いた映画ってたくさんありそうですが、なかなか思い浮かびません。ググってみましたら「her/世界でひとつの彼女」「エクス・マキナ」、どちらも見ていませんので浮かばないはずです。考えてみれば「ブレードランナー」も、あまり直接的なシーンはありませんが「ブレードランナー20...
これは映画でさえないかも知れない… ミレニアル世代アーティスト「アマリア・ウルマン」さんの映画です。アマリア・ウルマン映画ではないかも知れないこれを映画としてみれば…で、結局なんなのかエル プラネタ / 監督:アマリア・ウルマンアマリア・ウルマンアマリア・ウルマンさん、上の画像の女性ですが、初めて名前を...
Love Letter 的叙情性ねらいと韓国映画事情から 内容的にはまったく違いますが、雰囲気的には岩井俊二監督の「Love Letter」や「ラストレター」を想起させるつくりです。手紙を契機にして過去と向き合うことや全編通して叙情で押しまくるところからそう感じます。叙情性で押すには流れが悪いネタバレあらすじフィルム写真ユン...
俳優の重厚さのわりにグッチ一族が薄っぺらくみえる 「アリー スター誕生」のガガさん、よかったです。アダム・ドライバーさんの方は「マリッジ・ストーリー」「パターソン」が印象に残っています。その二人の共演なら見なくちゃいけないでしょう。それにアル・パチーノ、ジャレッド・レト、期待が持てます。俳優のレベルは高いのだが…ネタバレあらすじ「ゴッドフ...
面白くとも一歩間違えば冷笑系 話は面白いですし、宮沢りえさんも窪田正孝さんも他の俳優さんも皆うまいですし、各シーンよくこなれていてとてもよく出来ているのですが、だめなんですよね、こういう映画は…。本気度が問われる俳優の間合いがとてもいいネタバレあらすじ一歩間違えば冷笑系決戦は日曜日 / 監督:坂下雄一郎本気度が...
青春旅立ち映画としてはかなり保守的 音楽映画&青春旅立ち映画という感じです。パキスタンをルーツとするイギリス人のサルフラズ・マンズールの回顧録(自伝?)を原作としており、脚本にも本人が参加しています。ブルース・スプリングスティーンの曲によって人生を一歩踏み出したという映画ですのでブルース・スプリングスティーンの曲がふんだんに使われています。...
父親との確執と自己承認欲求かな… 宣伝コピーだとしても、阪本順治監督の言葉として「これを撮らなければ自分は先に進めない」とまで語る映画ですのでかなり強い個人的な思いがあるのでしょう。それゆえでしょう、他人にはとてもわかりにくい映画です。家族間のわだかまり映画か?ネタバレあらすじ主題は父親への自己承認欲求か?弟とア...
脚本,監督,主演のヴァレリー・ルメルシエのパフォーマンスがすごい 何を見ようかと映画.comの上映欄を見ていましたら、音楽映画なのに(音楽映画にハズレはないという意味)あまり良い評価もなく、期待せず見に行ったのですが、これ、面白いです。全編音楽がふんだんに使われていますが、音楽映画というよりも、脚本、監督、主演のヴァレリー・ルメルシエさんの何がした...
特別を求めない平凡さを描け 2021年最後の映画になりました。一年の最後に見るにはちょっと…という映画です。平凡を映画にすること平凡を平凡な映画にすることロスジェネ、はざま、ゆとり世代特別を求めない平凡さを描け2022年は圧倒的な映画を期待する明け方の若者たち / 監督:松本花奈平凡を映画にすること...
ネタはロスジェネ世代の男の恋愛妄想か? 見始めは(DVDです)、謎解き学園ものみたいな物語かなあと思った映画です。そんなジャンルはないとは思いますが…。階段島という島に閉じ込められた高校生たちの話です。ただ、島の人口は2,000人とか言っていましたので、マジな物語であれば大人たちも物語に参加してこなくてはいけないのですが、登場人物は高校生だけです。...
ある日、父親が女性になると宣言する 11歳と14歳の娘を持つ父親がトランスセクシュアルするデンマークの映画です。LGBTQをテーマにした映画も随分多くなってきましたが、この映画はその当事者である父親に焦点をあてているわけではなく、11歳の娘がそのことをどうとらえ、どう変わっていくかを描こうとしています。その視点自体もこれまであまりなかったのでは...
後味の悪さが現代につながる 焦げ付かないフライパンの代名詞のような「テフロン」ってデュポン社の登録商標なんですよね。以前、フライパンのコーティングが剥げたので再加工は出来ないかと調べていた時に知りました。フッ素を含んだ合成樹脂は耐熱性や耐薬品性に優れていることからフライパンのコーティングに使われているということらしく、そのフッ素樹脂をデュポンはテフロンと呼...
北白川派に時代劇は無理ではないか… 「北白川派」とは「京都造形芸術大学と映画学科が一丸となり、その全機能を駆使しながら、プロと学生が協働で一年をかけ一本の映画を完成させ、劇場公開を目指すプロジェクト(北白川派)」で、私は「嵐電」「のさりの島」と見てきて結構気に入っているんですが、さすがにこれはちょっと…です。主だったスタッフや俳優は、「監督は若...