最新映画一覧

パワー・オブ・ザ・ドッグ

2021.11.20

は行,

犬は男?うさぎは女?隠されたセクシュアリティ「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン監督です。今年2021年のヴェネチアで最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞しています。そう言えば随分名前を耳にしていないなあとウィキペディアを見てみましたら、12年ぶりの監督作品とのことです。私は「ピアノ・レッスン」以来かもしれません。「トップ・オブ・ザ・レイク」という2013年のテ...

カオス・ウォーキング

2021.11.18

か行,

男たちよ、うるさいぞ!SFはあまり見ないのですが、以前見た同じくダグ・リーマン監督の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」には妙によかったとの印象が残っており、その名が目に入りましたので、ちょっと不安ながらも(笑)見てみましら…いや、面白かったですよ。カオス・ウォーキング / 監督:ダグ・リーマン意表を突く始まり方男性社会と共生社会ノイズネ...

MONOS 猿と呼ばれし者たち

2021.11.16

英数字, 英字

幻想的に見えて現実的、編集は乱雑だが各シーンはおもしろい少年少女たちが孤立した環境に置かれるという設定の物語は、多くの場合、そこに理性と本能の対立という人間社会における根源的な矛盾をあぶり出そうとする試みだと思います。しかし、この「MONOS 猿と呼ばれし者たち」はちょっと違うようです。ゲリラ組織の下部組織のような少年少女の集団「MONOS」が人質のアメリカ人博...

皮膚を売った男

2021.11.14

は行,

人種差別、人身売買。エンターテインメントか、社会批判かよく練られたシナリオに作り込まれた映像、面白い映画です。ただ、批評性をもったテーマですので、エンターテインメント性が強い分、つくり手自らにその批評性がはね返ってくるのではないかと思います。監督はチェニジア出身のカウテール・ベン・ハニアさん、2005年くらいからドキュメンタリーやショートの作品がクレジットされ...

スウィート・シング

2021.11.11

さ行,

既視感はあるが気持ちが豊かになる映画、悲惨さを越えて。「イン・ザ・スープ」のアレクサンダー・ロックウェル監督の25年ぶりの日本公開作品ということです。タイトルにはなにか引っかかるところがありますが多分見ていないです。それに、25年ぶりということは1996年になりますが、この映画の製作年は1992年になっており日本公開が遅かったのか、他の映画の話なのか、IMDbなど...

ボクたちはみんな大人になれなかった

2021.11.09

は行,

なれなかったのではなく、なりたくなかったボクたちの25年ああ、これが2020年の日本なんだなあとつくづく感慨にふけざるを得ないような映画です。ボクたちはみんな大人になれなかった / 監督:森義仁残るのは虚しさだけ佐藤、加藤に会う佐藤、テレビ局の下請け仕事に就く佐藤と加藤、ラブホテルへいく普通が嫌いな加藤突然の別れ恋愛ドラマではなく、...

ほんとうのピノッキオ

2021.11.06

は行,

ダークファンタジーというよりもジェントリーファンタジーマッテオ・ガローネ監督は、自然主義的な社会派ドラマとファンタジーものを交互に撮るつもりなんでしょうか。「ゴモラ」「五日物語 3つの王国と3人の女」「ドッグマン」、そしてこの「ほんとうのピノッキオ」です。ほんとうのピノッキオ / 監督:マッテオ・ガローネ子ども向けなのか、大人向けなのか?人形...

ジョゼと虎と魚たち

2021.11.03

さ行,

(韓国版)ジョゼは自ら身を引いたのか、同情を突き放したのか田辺聖子さんの原作も読んでいませんし、妻夫木聡さんと池脇千鶴さん主演の2003年の映画も見ておらず、昨年末に公開されたアニメ版はその存在すらも知らなかったという「ジョゼと虎と魚たち」初心者ですが、ざっとネット上の予告編やあらすじなどを読んでみますと、この映画は随分趣きが違うようです。時代の変遷や価値観の違い...

モーリタニアン 黒塗りの記録

2021.11.01

ま行,

権力は真実を黒塗りにする。どの国でも、いつの時代でも。2021年の今、アメリカが正義の国などと信じている人はいないと思いますが、少なくともこういう映画がつくられる国ではあります。2001年のアメリカ同時多発テロをうけ、ブッシュ政権が、容疑者の名のもとに法にもとづかない方法によって多数のイスラムを長期拘束し、拷問まで加えて自白を強要していた事実を暴いています...

ビルド・ア・ガール

2021.10.27

は行,

女たちよ、失敗を恐れるな。やり直せばいいのだ。「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」で主演のビーニー・フェルドスタインさんありきの映画です。全シーン出ずっぱりです。内容は、キャトリン・モランというイギリスのジャーナリスト、作家、テレビ司会者など多方面で活躍している方の自伝的小説の映画化とのことです。ビルド・ア・ガール / 監督:コーキー・ギェ...

かそけきサンカヨウ

2021.10.24

か行,

人間関係にツッコミが足りず、かなり古くさい今泉力哉監督の映画は「知らない、ふたり」以降それなりに見ていますが、そろそろもういいかなと、これは単に個人的趣味の話ではあるのですが、そう思っていたところ志田彩良さんの名前が目に入り、ん?だれっけ?とググりましたら、「ひかりのたび」でした。結構印象に残っている俳優さんですので、もう1本ということで見た映画です。か...

草の響き

2021.10.22

か行,

原作ではなく佐藤泰志本人を描こうとしているようだ佐藤泰志さんの小説からの映画化は、「海炭市叙景」「そこのみにて光り輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」に続いて5作目です。最初の「海炭市叙景」が映画化されたのは2011年、もう10年前です。映画化を機にその原作を読み、すっかりはまって、出版されているものはすべて読みました。ですので例にもれず(笑)...

DUNE/デューン 砂の惑星

2021.10.19

英数字, 英字

デューンは呪われている「デューン」は呪われていますね。1970年代に企画されたホドロフスキー案は10時間の大作となりプロデューサーがびびって頓挫、そのあたりの経緯は「ホドロフスキーのDUNE」に詳しいのですが、その後、1984年にデイヴィッド・リンチ監督が映画化するも、本人が失敗作と認める出来で、逆にそれがリンチ監督ファンの間ではカルト的な人気が出た(かな?)...

ONODA 一万夜を越えて

2021.10.17

英数字, 英字

友情と不条理のONODA、フランス向けの映画小野田寛郎さんがフィリピンのルバング島から日本に帰還したのは戦後29年の1974年、もう47、8年前のことです。半世紀前にもなりますのでリアルタイムでそのことを記憶しているとなりますと少なくとも60歳は越えている方々かと思います。確かに、客層のほとんどはそのように見えました。少なくと20代、30代にみえる方は見かけま...

最後の決闘裁判

2021.10.15

さ行,

14世紀フランスのレイプ事件、すべては男のため1386年のフランスで実際にあった騎士の決闘にまつわる映画です。また地味な話だなあと思いながらも、マット・デイモン、アダム・ドライバー、ジョディ・カマー(よく知らない)、ベン・アフレック、それに監督がリドリー・スコットということならば見てみなくっちゃということです。時代背景は中世ヨーロッパでも、実に現代的な話でし...

アイダよ、何処へ?

2021.10.12

あ行,

アイダの苦しみを共有できるのなら世界は…日本での公開は3作目になるヤスミラ・ジュバニッチ監督、2006年の「サラエボの花」はベルリン映画祭で金熊賞を受賞しています。1990年代始めのボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下で起きた悲劇的な過去を乗り越えようとする母娘を描いていました。この映画「アイダよ、何処へ?」も同じくボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下の話ですが、まさしくそ...

スターダスト

2021.10.11

さ行,

ジギー・スターダスト誕生に迫れているか…?音楽映画は鉄板というのはほぼ間違いなく、迷いなく見に行けます。と思い、見に行ったのですが、音楽映画ではありませんでした。もう3年前になりますが、フレディ・マーキュリーの伝記もの「ボヘミアン・ラプソディ」のような映画を期待していきますとややがっかりするかもしれません。ただ、様々な世界(ジャンル)でア...

コレクティブ 国家の嘘

2021.10.06

か行,

ドキュメンタリーは真実報道ではなく非俳優によるドラマです前作の「トトとふたりの姉」は、これ、ほんとにドキュメンタリー?! というようなすごい映画でしたけれども、この「コレクティブ」も、ちょっと違う意味ですごい映画でした。東欧ルーマニアの映画なんですが、あれこれちょっと入れ替えれば今の日本にも当てはまりそうでかなり怖い話ではあります。というよりもどの国にもという方...

護られなかった者たちへ

2021.10.03

ま行,

残念、佐藤健、阿部寛の共演生かされずこのところ続けざまに日本映画の社会派ドラマ(と言われる映画)を見ていますので、それが自ら望んだものであるとはいえ、やや食傷気味のところへ、さらにこの「護られなかった者たちへ」です(笑)。ただ、佐藤健さんと阿部寛さんの共演ということで俳優力で見せる映画だろうと期待は大なのですが、さて…護られなかった者たちへ / 監督:瀬...

ディナー・イン・アメリカ

2021.09.30

た行,

パンクカップルはラブコメで世界を変える面白い映画でした。アメリカはこういう映画はうまいですね。社会規範への抵抗とラブストーリーを結びつけ、それでいて暗くならずにポップ(この映画ではパンク)でカラッとしています。犯罪性は抑えられてラブコメ要素がかなり強いのですが、「俺たちに明日はない」「地獄の逃避行」「トゥルー・ロマンス」の系譜でしょうか…。いや、そこまではいって...