おすすめ映画

パリ、恋人たちの影

2017.03.17

おすすめ映画, は行,

恋に悩む男女におすすめ、大人になるために。「恋人たちの失われた革命」以降ですのでごく最近のものしか見ていませんが、フィリップ・ガレル監督、一貫して男女の関係を撮っている印象です。モノクロへの思いも強いのでしょうか、この「パリ、恋人たちの影」もそうですが、「恋人たちの失われた革命」「ジェラシー」「愛の残像」がそうでした。それに、極めてシンプルに、余計なものは一切...

ブラインド・マッサージ

2017.03.07

おすすめ映画, は行,

これに金熊を与えなかった審査員が信じられない!「天安門、恋人たち」「スプリング・フィーバー」のロウ・イエ監督、2014年の作品です。なぜこんなに公開が遅くなるのか不思議ですね。一般的にの話ですが、映画祭で評価の高い映画は逆に一般公開が難しいのかもしれません。この映画も2014年のベルリンで銀熊を受賞しています。ただ、芸術貢献賞(Outstanding Artis...

たかが世界の終わり

2017.02.12

おすすめ映画, た行,

グザヴィエ・ドラン、会話劇で新境地グザヴィエ・ドラン監督、27歳にしてすでに6作目、どの作品も自国だけではなく世界に配給され高評価、どんだけ才能豊かなんだ!という若き天才映画監督です。この映画は俳優もすごいです。ギャスパー・ウリエル、マリオン・コティヤール、レア・セドゥー、バンサン・カッセル、そしてナタリー・バイ、そうそうたるメンバーということなんですが、さらに...

ショコラ 君がいて、僕がいる

2017.02.07

おすすめ映画, さ行,

実在したフランスの道化コンビ「フティット&ショコラ」の友情、そして人種差別「ショコラ」と聞きますと、私はジュリエット・ビノシュとジョニー・デップの映画を思い出してしまいます。映画のタイトル付けもなかなか難しいものです。とは言っても「君がいて、僕がいる」はいただけません(笑)。こちらの「ショコラ」は、公式サイトによれば、20世紀初頭フランスで活躍したラファエル・パ...

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

2016.12.09

おすすめ映画, は行,

エレン・ペイジのアップになるたびに涙が流れて…。もちろんジュリアン・ムーアもいいのですが。あ~、最初から最後まで涙が止まりませんでした。1リットルくらい出たかもしれません(笑)。ただ、単純に感動というわけではなく、とにかく細かいところでうまいんですよ。監督も、俳優も、もちろんジュリアン・ムーアもそうなんですが、ステイシーをやっているエレン・ペイジ、無茶苦茶いいで...

みかんの丘

2016.10.21

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映画この寓話的真実で争いがなくなることはないにしても、この寓話的真実を理解できなければとっくに世界は終わっている。さすがに現代では帝国主義戦争は起きにくくなっていますが、民族紛争はいたるところで起きています。シリア内戦、南スーダン、毎日のように何人死亡などと記事になっています。この映画は、そうした民族紛争(戦争)の、ある意味核心をとらえた素晴らしい映画で...

アスファルト

2016.09.28

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人生あれやこれやいろいろあってもまだまだ捨てたものじゃないと気持ちが和らぎますいやあー、今年のベストでしょう!!おしゃれですし、シュールですし、切ないですし、ナンセンスですし、笑えますし、ほっこりしますし、映画として冴えていますし、完璧でしょう!ですが、観客は私を含め3人でした(涙)。団地の故障中のエレベーター。修理代を負担しない代わりにエレベーター...

ラサへの歩き方 祈りの2400km/チャン・ヤン監督

2016.08.22

おすすめ映画, ら行,

ただひたすら無心で五体投地、地にひれ伏し他者のために祈る人々が美しいです。五体投地五体、すなわち全身を地に投げ伏して礼拝する、仏教における最も丁寧な礼拝方法だそうです。日本仏教では馴染みがない礼拝方法ですが、僧侶が膝をつき、額を床につけて両手を頭の上まで上げる姿を目にすることがありますが、あれも五体投地の変形のようです。で、この映画、その五体投地の礼拝をしな...

生きうつしのプリマ/マルガレーテ・フォン・トロッタ監督

2016.07.27

あ行, , おすすめ映画

皮肉まじりの人間愛に満ちた大人の映画です。女の秘密の先には男の意外な結末が待っています(笑)。「ハンナ・アーレントの監督&主演の最新作」これがこの映画のキャッチになっているようです。それだけ「ハンナ・アーレント」が良かったということなのでしょう。確かに、その後、本やネットで「ハンナ・アーレント」の名を目にすることが多くなった印象です。正確に言いますと、今まで読み...

AMY エイミー/アシフ・カパディア監督

2016.07.24

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の構成力のすごさが光ります。エイミー・ワインハウスさんの CD を買いたくなること間違いなし。このところ続けざまにドキュメンタリーを見ています。もちろん、結果としてですが、「FAKE」「ラスト・タンゴ」「シリア・モナムール」、そしてこの「AMY」と、2週間で4本目です。この映画はいいですね。ドキュメンタリーと言えども、ドラマと同じように作りものであることに変わ...

山河ノスタルジア/ジャ・ジャンクー監督

2016.05.20

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言葉のないところに叙情的風情が生まれる。2025年、現実の世界は「世界」になる。ジャ・ジャンクー監督が帰ってきた! そんな感じのする映画です。前作「罪の手ざわり」のレビューを読み返してみますと、ジャ・ジャンクー監督の何かが変わっていく過渡期ではないかなどと書いていますが、結局「青の稲妻」や「世界」に戻ったのでしょう。ただ、当然十年余という時間は、人も、そして国...

放浪の画家ピロスマニ/ギオルギ・シェンゲラヤ監督

2016.04.20

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毎食ワインとパンとサラダのような、考えてみれば結構シュールな、美しき構図の映画でした。最近は、リバイバル上映やデジタルリマスター版の上映が結構多くなっていますね。あまり客の入らない映画の買い付けが難しくなっているのか、観客の二分化が進んでいるのか、何が起きているんでしょう?この「放浪の画家ピロスマニ」も、ギオルギ・シェンゲラヤ監督1969年の作品です。映画.c...

マジカル・ガール/カルロス・ベルムト監督

2016.04.13

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魔法少女ユキコは、男たちの欲望を一身に受け止め、ソウルジェムは濁りきり、やがてメンヘラ魔女と化すこれだけ作り手の才能が感じられる映画はめずらしいです。もちろん、その中心はカルロス・ベルムト監督でしょう。物語は、父が娘を思うヒューマンストーリーであり、何が起きるかわからないミステリーであり、また、そのテイストは、サスペンスであり、ブラックなコメディであり、ダークな...

火の山のマリア/ハイロ・ブスタマンテ監督

2016.03.09

おすすめ映画, は行,

出だしはやや退屈ですが、中盤からはお母さんの存在感に惹きつけられ、そしてラストは「そっちか!?」とびっくり!グアテマラの映画です。昨年のベルリンで、銀熊アルフレッド・バウアー賞を受賞しています。久しぶりにびっくりしました! この手のびっくりは「父の秘密」以来です。ドンデンとか、秘密が明らかになるとか、そういった部類のことではありませんので、それを知ったから...

キャロル/トット・ヘインズ監督

2016.02.22

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ルーニー・マーラの魅力にやられてしまいました。古き良き映画の時代を感じさせる演出も適度で心地良いです。あまり興味のないアカデミー賞も、この映画のルーニー・マーラがノミネートされているとのことで、一気に興味が湧いてしまいました。ぜひ受賞して欲しいですね。それくらい良かったのですが、実はこれまであまり印象はなく、「ソーシャル・ネットワーク」では映画の主題とはちょっと...

黄金のアデーレ 名画の帰還/サイモン・カーティス監督

2015.12.17

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ドラマづくりの旨さであっという間に引きずり込まれ、心地良い感動と歴史の再認識と「過去が現在に是正を求めている」弁護士ランドル・シェーンベルク(ライアン・レイノルズ)がウィーンでの調停(仲裁裁判)の場で述べる演説からの一節です。結構いい演説で心に残りました。クリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像(黄金のアデーレ)」が、ナチスによる略奪で違法にオー...

メニルモンタン 2つの秋と3つの冬/セバスチャン・ベベデール監督

2015.12.09

おすすめ映画, ま行,

これぞ(懐かしき)フランス映画!という感じがします。ちょっと笑える切なさと挑戦的試みと。これは素直に面白いです!主演のヴァンサン・マケーニュさんは、ギヨーム・ブラック監督の「女っ気なし」「遭難者」「やさしい人」、それにミア・ハンセン=ラヴ監督の「EDEN エデン」にも出ていましが、IMDbを見てみましたら、2013年辺りからすごい出演数ですね。「女っ気なし」で俳...

SAINT LAURENT サンローラン/ベルトラン・ボネロ監督

2015.12.08

おすすめ映画, 英数字, 英字

ワンカットごとの構図がきれい。ラストカットも秀逸!いいわ、これ。昨年公開された「イブ・サンローラン/ジャリル・レスペール監督」とほぼ同時期に製作されているんですね。日本での公開も同時にすれば相乗効果でより入ったのではないかと思います。まあ誰もが考えることですので、そうならなかった何か訳でもあるんでしょう。ただ、そちらの方は見ていませんので比べて何か書くことはで...

名もなき塀の中の王/デビッド・マッケンジー監督

2015.11.12

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ジャック・オコンネルのエリック、触るとやけどしそうなくらいのひりひり感がとてもいい!刑務所を舞台にした映画にハズレはない(かも?)ですね。記憶に新しいところでは「預言者」「タンゴ・リブレ 君を想う」、刑務所の中だけの話ではありませんが、「愛について、ある土曜日の面会室」、最近見た映画で何かもうひとつあったような気がしますが思い出せません。暴力や犯罪ものはドラ...

アクトレス ~女たちの舞台~オリヴィエ・アサイヤス監督

2015.10.29

あ行, , おすすめ映画

ジュリエット・ビノシュは当然としても、クリステン・スチュワートの個人秘書役が素晴らしい!「アクトレス」はともかく「女たちの舞台」なんていう二時間ドラマを思わせるタイトルで、映画はどうかな?と思いましたが、とんでもなくいい映画でした。それもそのはずで、原題は邦題とはかけ離れた「Clouds of Sils Maria」であり、スイスのシルス地方のマリア地区で見られ...