140分ワンカットが売りのひとつだとは思いますが、100分に編集すればもっと良くなったかも…ネタバレになりますが、ストーリーを書きますと、やや訳ありでスペインからベルリンに来て3ヶ月のヴィクトリアは、さみしさを紛らわそうと出掛けたクラブで、4人組の青年たちと出会います。多少の戸惑いを感じながらも、人恋しさゆえか、誘われるままに、4人とともに夜明け前のベルリンをふ...
失われた20年に青春時代をむかえた世代の「憂鬱」、あるいは「絶望」の映画なのでしょうこうしたテーマをこうした手法で表現することに、映画は向いていないですね。こうした、こうしたでは訳がわからないと思いますが、ある種観念的な概念を現実的なものに象徴させたドラマ、簡単にいえば、作り物くさいドラマということです。文字どおり、果子と未来子は、「過去」と「未来」を象徴し...
ギヨーム・ブラック監督(女っ気なし、やさしい人)絶賛の新人監督、この二作融合の新作に大いに期待します。公式サイトによりますと、「やさしい人」のギヨーム・ブラック監督が次のように語っているそうです。『ダミアン・マニヴェルは、並外れたフレームと空間のセンスを持ち、フィルムに収めるその「場」に強い存在感を与え、またその「場」の空気をとらえる術を知っている。そしてまた、...
シャーリーズ・セロンをもっと活かして!役柄的にははまり役でしょう。8歳の時の自らの証言で実の兄を殺人犯にしてしまった女性が、苦しみながらも、自らの心の闇(ダーク・プレイス)に向き合うことで、自分自身を解き放っていく、なんて役、シャーリーズ・セロンの良さが最もでそうな役どころじゃないですか!さらに、監督は「サラの鍵」のジル・パケ・ブランネールさんですので、期待でき...
10年の時間が感じられず、なぜこの事件が今突然起きる?と不思議でならない乱暴な映画だと思います。10年前に両親を亡くし、祖母と叔父の家で、自由にのびのびと育てられてきた(としか見えない)5人姉妹が、学校の帰りに海辺で男子生徒たちと肩車をしたりして水遊びしたことが不純行為と咎められ、その日から突然(としか見えない)、祖母と叔父によって、幽閉状態のような環境に置かれ...
それにしても、なぜアフン(ホン)は郵便屋さんと結婚しちゃたんでしょう?「恋恋風塵」、DVDでしか見ていませんので、デジタル・リマスター版でのリバイバル上映ということで見に行きました。デジタル・リマスター版というものが、具体的に何を指すのかよく分かりませんが、字幕はDVDと同じですね。新しいバージョンというわけではないようです。DVDを見た時に、ネットで流れてい...
家族、抑圧的な父親、それによって起きる悲劇、無差別殺人、この設定が古臭くありませんか?「その夜の侍」を見ていますが、この「葛城事件」を見に行ったのは、それが理由ではなく、昨日でしたか、一昨日でしたか、三浦友和さんが阿川佐和子さんのインタビュー(6/24 間違いです 何だったか忘れました)を受けているテレビを見て、なんとなく三浦友和さんにいい印象を持ったからです。...
俳優の自然さ、ていねいな作り、滞るところのない編集、(原案、脚本、監督、編集)是枝裕和ワールドなんでしょう親子ものも家族ものもあまり好みではない(好き嫌い多すぎ)のですが、是枝監督、一度も劇場で見たこともないのもどうかと思い出掛けました。昨夜、ネット予約した時にはガラガラだったのですが、行ってみれば、100席あまりの劇場が満員です。ああ、木曜日、女性サービスデ...
この映画を見ると、実は、ドキュメンタリーもドラマも、全く違いはないのだということがよく分かる告発型の映画は好みではありませんので、マイケル・ムーア監督の映画も見たことはありません。ただ、マイケル・ムーア監督=告発と考えてしまうのは過去の宣伝からの印象ですので、そうであるかどうかは見てみなければ分かりません。それにしても、最近、海外から入ってくる映画が少なくなっ...
この映画に、切ないだの、哀しいだの、秘密だの、愛だの恋だのは、ほぼ「ぼくのエリ」を意識した宣伝コピー。映画っていうのは、本当に「宣伝」が重要ですね(笑)。どの言葉に引っかかったのか、何に惹きつけられたかはもう忘れてしまっていますが、上映作品の一覧を見ていて、ふっと目が止まり、調べてみますと、すでに近場の劇場での上映は終わっており、遙か地の果て(スミマセン...
アメリカ西部の風景ののんびり感と起きる事件の凶悪殺伐さのギャップが面白いケヴィン・ベーコンさん、ミスティック・リバー以来かもしれません。最近は監督業にも手を伸ばしているようで、この映画では、主役だけではなく、エグゼクティブ・プロデューサーとしてもクレジットされています。俳優としての役回りは、公式サイトにはコロラド州とありますが、どこまでも真っ直ぐな道路が走って...
あまりに唐突なラストで映画の内容が飛んでしまっています。無名か、それに近い俳優で撮るべきだと思います。さほどいい映画だと感じたわけでもないのに、なぜか気になって、それ以後、時に、その映画を思い出し、他の映画を語る例えに出してしまう映画、ミシェル・フランコ監督の前作「父の秘密」がそれです。その「父の秘密」(2012年)が、カンヌの「ある視点」でグランプリ、そして、...
考え過ぎであればいいのですが、何だか上から目線で差別意識を感じます。そんな映画じゃない?いくら何でも「神様メール」はないよな、などと憤慨(笑)しながらググってみましたら、邦題を考えた配給でしょうか、宣伝プロデューサーのインタビューがヒットしました。まあ、人のセンスをどうこう言っても始まりませんが、ずれているのは間違いないですね(笑)。それに、そもそも媚びタイト...
真ん中辺りで一気にテイストを変えようとした洒落た真似(笑)に大いに期待するが、その後ややもの足らずタイトルもよく分からないですし、特に興味があったわけでもないのですが、何となく見に行きました。知っている俳優さんは濱田岳さんくらいで、その印象もゆるい系、癒し系といったところですので、ああ、こういうコミカルなほんわか系の映画なのねと、中学生の告りドラマを見るような...
「暴力」が「乱暴」を超えられず、血の生臭さも折れた歯の痛みも感じられず。真利子哲也監督を知ったのは、「NINIFUNI」ですが、今自分のレビューを読み返してみますとまず何をおいても重要なのは、何を撮ろうとしているのかという明確な意志でしょう。テーマとかそういうことではなく、もっと直接的な、この人間の熱が撮りたいとか、この風景の凶暴さが撮りたいとか、そういった意味...
言葉のないところに叙情的風情が生まれる。2025年、現実の世界は「世界」になる。ジャ・ジャンクー監督が帰ってきた! そんな感じのする映画です。前作「罪の手ざわり」のレビューを読み返してみますと、ジャ・ジャンクー監督の何かが変わっていく過渡期ではないかなどと書いていますが、結局「青の稲妻」や「世界」に戻ったのでしょう。ただ、当然十年余という時間は、人も、そして国...
タイのさわやか青春映画を見て、リフレッシュしてみてはいかが?タイのさわやか映画です。タイ映画と聞いて、思いつくものは何でしょうね? マッハ!? ブンミおじさん?私は、「風の前奏曲」「レター 僕を忘れないで」、他に、アクションものを何か見た記憶はありますがタイトルは思い出せません。「ブンミおじさんの森」も見ましたが、これは過去見た中で最も眠かった映画です。ですの...
こういう映画が楽しめないと映画ファンとはいえないのかも…。とは言っても何が面白いのやら…。書き始めてはみたものの、何か書けるほど、いや、書いていいほど、ちゃんと見ていません。と言いますのは、花粉症と言っていいのか、鼻炎と言うべきなのか、毎年梅雨入りあたりまで、くしゃみや鼻づまりに悩まされ、その日、あまりの酷さに薬を飲んで映画館へ出掛けました。あいにく前日にネット...
この邦題が意図的な釣りだとしたら、参りました! 意図なしのマジだとしたら、出直してらっしゃい!孤独のススメ!? 孤独なんて、まるでテーマと関係ないじゃん!まさか、人間皆孤独という、しょうもない意味で使っているわけでもないでしょうし、フレッドがテオを受け入れるのは孤独で寂しいからではないでしょう。ん? この邦題、釣りか?確かに、「孤独」好きの日本人(笑)には受...
俳優2人の演技はともかく、30代の夫婦に起きたことを70代の老夫婦が演っているような違和感を感じます昨年のベルリンで女優賞と男優賞を受賞しています。俳優の名前を記憶するのが苦手な方ですので、シャーロット・ランプリングさんと名前を聞いても映画が浮かんできません。ググってみましたら、ああ「リスボンに誘われて」でライムントが訪ねて行くアマデウの妹役の俳優さん! それに...