ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 今年2022年初めの劇場公開時には、イスラエルとパレスチナの若者たちがオーケストラを組むという内容をみて、まあよくある音楽を使った感動ものだろうとパスしていたのですが、ちょっと気になってDVDを見てみましたら、感動ものには違いありませんし、ヨーロッパ視点の映画ではありますが、現実の厳しさを無視していない点ではいい映画...
監督の自伝的映画?マジか?! 配信スルーかDVDスルーでよかったんじゃないの、と思います(笑)。日本の公式サイトによれば「オーガスティン・フリッゼル監督のほぼ自伝的映画」だそうです。マジか?!Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック / 監督:オーガスティン・フリッゼル内容ほど下品じゃない(笑)確か1...
三浦透子主演のポリコレ的ホームドラマ 三浦透子さんのうまさが光り、前田敦子さんの異星人的存在感(笑)が光るポリコレ的ホームドラマです。監督は劇団「玉田企画」を主宰する玉田真也さん、脚本はアサダアツシさん、どちらも初めて見ます。そばかす / 監督:玉田真也三浦透子、そして前田敦子という俳優三浦透子関連出演作ドライブ...
岸井ゆきのさんを見る映画です、でももっと出来るはず… 岸井ゆきのさんが聴覚障害のあるボクサーを演じています。ただそれだけですがいい映画でした。監督は「きみの鳥はうたえる」や「Playback」の三宅唱監督です。ケイコ 目を澄ませて / 監督:三宅唱役作りに一年は必要じゃないかケイコ(岸井ゆきの)には先天性の聴覚障害があ...
ノア・バームバック監督のセンスが光るポストモダン混乱映画(笑) 「マリッジ・ストーリー」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」「フランシス・ハ」のノア・バームバック監督の最新作です。前々作「マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)」前作「マリッジ・ストーリー」に続いて今回もNetflix製作です。Netflix製作配信の映画が多くなっています。ただ、ここ最近は事前に...
佐藤泰志さんは、こんな男女は書きません! 佐藤泰志さんの小説はかなり映画化されています。「海炭市叙景」に始まり「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」「きみの鳥はうたえる」「草の響き」ときて、この「夜、鳥たちが啼く」で6本目です。「書くことの重さ」というドキュメンタリー映画もあります。夜、鳥たちが啼く / 監督:城定秀夫...
男性が根源的に持つ暴力性と甘え、冗談じゃねぇと拒否される 「エクス・マキナ」を見たと思っていたけれども見ていなかったアレックス・ガーランド監督の最新作です。主演のジェシー・バックリーさんはたくさん見ています。「彼女たちの革命前夜」「ワイルド・ローズ」これはよかったです。主演ではありませんが「ジュディ 虹の彼方に」や「クーリエ:最高機密の運び屋」でも印象に残...
畑芽育さんで若干救われていますが、つじつま合わせの脚本が難 この「森の中のレストラン」が長編デビュー作の泉原航一監督、「ゲートキーパー」という言葉を知ったことから生まれた映画だそうです。ただ、脚本は幸田照吉さんとなっており泉原監督の名前は入っていないです。デビュー作の脚本に監督の名前が入っていないというのは珍しいような気がします。...
同性愛に子どもの母親愛を対立させているように感じる 主演はアデル・エグザルコプロスさん、アブデラティフ・ケシシュ監督の「アデル、ブルーは熱い色」で共演のレア・セドゥさんとともに監督を含めた3人でカンヌのパルムドールを受賞した俳優さんです。もう10年近く前になります。監督のレア・ミシウスさんはこの映画が長編2作目で、脚本家でもありますので、私が見てい...
アンヌの身体や人生のことはアンヌが決めるべきということ すごい映画です。昨年2021年のヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞受賞作です。今年、ノーベル文学賞を受賞したフランスのアニー・エルノーさんの『事件 L'Événement』という著作をベースにした映画で、内容も内容なんですが、エルノーさんはオートフィクションの作家と言われている方で、著作の多くが...
東京蛍堂を舞台にした洒落(しゃらく)な映画 ディケイドという俳優のマネージメント会社の創立30週年を期に制作された映画だそうです。ですので出演はその所属俳優さんということだと思います。監督は張元香織さん、長編二作目ということです。見ている映画が張元監督のプロフィールに何本かあったことと東京の下町が舞台の人間模様がテーマらしいということで気持ちが動いた映画で...
バルト三国エストニアのダークファンタジー&悲恋物語…かな? 2018年のアカデミー賞外国語映画賞のエストニア代表になった映画です。ノミネートはされていません。ノベンバー / 監督:ライネル・サルネットダークファンタジーただエストニア映画であることにそそられて事前情報ゼロで見に行きましたので全体をつかむことに苦労しました...
ラストシーンのアン・ランの迷いの長さが映画のテーマそのもの 突然の両親の死でそれまで離れて暮らしていた幼い弟を引き取って育てるか、医師を目指す自らの将来のために養子に出すかの選択を迫られる20代の女性アン・ランを描いた中国映画です。内容はおおよそ想像はつきますが、宣伝コピーに「中国で2週連続興収入No.1」とありますので、アン・ランが最後にどういう...
グルメエリート批判?奉仕する者とされる者? 予告編を見れば、内容はわからないまでもおおよその傾向は想像がつきますので、まあパスやねと思っていたのに魔が差したように劇場の予約サイトをポチッとしてしまいました(笑)。ザ・メニュー / 監督:マーク・マイロッドブラック・コメディ?なぜこんな映画を作ろうとしたのかに一番興味があ...
サバイバル×恋愛×リーガルドラマ、物語の背景が新鮮で面白い 「ザリガニの鳴くところ」って、どういうことなんだろう? と、まずタイトルに惹かれます。アメリカのディーリア・オーエンズさんの同名タイトルの小説『Where the Crawdads Sing』が原作とのことで、日本では2020年に翻訳されて2021年の本屋大賞「翻訳小説部門」の第1位に選ばれていま...
原作にとらわれすぎた脚本に問題あり…かな? 平野啓一郎さんの『ある男』の映画化です。監督は「愚行録」「蜂蜜と遠雷」「Arc アーク」の石川慶監督です。えー、自分でもびっくり、長編はすべて見ています。ある男 / 監督:石川慶安藤サクラさんが深いです出演は、妻夫木聡さん、安藤サクラさん、窪田正孝さんです。今注目の仲野太賀さ...
どこにも鬼がいない昭和愛憎ものの表層 よく知られた話ですが、瀬戸内寂聴(当時は瀬戸内晴美)さんは、1966年くらいから7年間ほど井上光晴さんと恋愛関係にあり、その関係を精算するために出家して寂聴を名乗るようになっています。井上光晴さんは既婚者ですので不倫ということになり、その間の二人と井上さんの妻郁子さんを描いた映画です。あちらに...
2,30分でネタは知れ、残り100分を耐えるつらさ 監督は「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」のオリビア・ワイルド監督、主演は「ミッドサマー」のフローレンス・ピューさんという今注目(らしい)の組み合わせの映画です。ドント・ウォーリー・ダーリン / 監督:オリビア・ワイルドつらい……2、30分も見ればネタは知...
ジャン・コクトー「人間の声」を再び翻案、現実と非現実、飛び出す女 ジャン・コクトー「人間の声」の翻案ものといえば、アルモドバル監督は、すでに「神経衰弱ギリギリの女たち」で一度試みています。ただ、その映画は翻案というよりも、発想の原点といいますか、触発されたといいますか、ほとんど原作の原型をとどめていませんのであらためて挑戦したということなんでしょう。今度は...
30分で描けるものが100分に伸ばされている あまりに直接的なタイトルですので逆に目を引いた映画、母親は石田えりさん、娘は井上真央さんです。監督は「前作『人の望みの喜びよ』(15)がベルリン国際映画祭ジェネレーション部門でスペシャルメンションを受賞し、人間ドラマを描く手腕が高く評価された杉田真一(公式サイト)」さん、これも見ようと思った理由のひとつです。...