この映画に、我々がメディアを通して知る「イスラム国」を重ね合わせるのはどうなんだろう?と思う この映画、昨年のフランス映画祭で上映されているようですが、このフランス映画祭というのは、ほとんどの作品が劇場公開されますね。逆ですかね? すでに配給のついている映画を集めているとか?まあ良い映画が多いのでどちらでもいいんですが、この「禁じられた歌声」は、セザール賞の最優...
個人的には苦手な映画ではありますが、完成度は高く、劇場で見れば集中して見られたでしょう。 「恋人たち」では、結構厳しいレビューを書いてしまいましたが、旧作を見てみたいと書いた通り、代表作(でいいのかな?)「ぐるりのこと。」を見てみました。ちなみに、「恋人たち」はキネ旬の2015年日本映画ベストテンの1位でした。で、ついでに外国映画のベストテンは何かなと見てみ...
これは愛、死、悪に関する三部作の最終章ではない。撮り直してとお願いしたい。 ファティ・アキン監督、「愛より強く」から「ソウル・キッチン」までは続けざまに撮っていた印象があったのですが、ドキュメンタリーを一本撮っているとはいえ、この作品までには随分間があいています。それにわざわざ「愛、死、悪」の三部作と(多分本人が)位置づけての完結編とくれば、「愛より強く」も「そし...
俳優でもっている映画、石橋蓮司、淡路恵子、二階堂ふみがいいです。相変わらず演出は過剰。 見ようと思いリストアップしてあるDVD(Blu-ray)がなかなか消化できません。そのひとつ、タナダユキ監督の「四十九日のレシピ」です。この監督の作品は、「百万円と苦虫女」「ふがいない僕は空を見た」と、見た二本とも苦手な印象しか残っていないのですが、でもなぜか次の作品も見よう...
「馬々と人間たち」は馬と人間が共存している感じがしましたが、これは羊を脇に置いた人間の映画ですね 2015年のカンヌ「ある視点」部門のグランプリ作品です。同じ年、黒沢清監督の「岸辺の旅」が監督賞を受賞しています。ところで「ある視点」部門って何なんでしょう? ウィキには「1998年、若き才能を認め、フランス国内での配給を支援する補助金を提供することで、革新的で大胆な...
ある人物を撮る切り口はいろいろありますが、やや入門編的です。でも「山口小夜子」の歩く美しさには感動します。 山口小夜子さん、そういえば亡くなられていましたね。多分ニュースでも報じられたんでしょうが、はっきりした記憶はありません。2007年ですから8年ですね。生前親交のあったという松本貴子監督が撮られたドキュメンタリーです。松本貴子監督のプロフィールにPFF入選とあ...
3つの回想はともかく、ラストシーンは監督に自伝的な後悔の意識でもあるのかな…と思わせるわがままな映画でした 2016年最初の映画は、2、3日前に見たアルノー・デプレシャン監督の「あの頃エッフェル塔の下で」です。アルノー・デプレシャン監督の映画は、「クリスマス・ストーリー」「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」を見た記憶では、こういう映画だ!というはっきりした印象...
淡々と、ジャンキーもホームレスもひとつの生き方だからという見方をすれば、まあいいか 2014年ですから、一昨年ということになりますが、東京国際映画祭のグランプリです。さくら何とかとかいう賞はなくなって、「東京グランプリ」というのが正式名称なんでしょうか。いろいろ名前が変わったり、ロゴが変わったりするのは、そもそものコンセプトが変わるってことでしょうから、残念ながら...
いわゆる男と女も、官能も、愛も、欲望も感じないけれど、山田真歩の生きてる感じが伝わってくる 原作「テレーズ・ラカン」としてみれば物足りなさも感じますが、その設定をかりて、あるひとりの(現代)女性のとらえどころのない「生(存在)」そのものを描こうとしたと考えれば、結構いい感じだったと思います。考えてみれば、いまどき「テレーズ・ラカン」を真正面から攻めたところで二時...
独裁者よりも反政府軍の不埒な振る舞いや暴力が目立つってのは復讐の連鎖とはちょっと違うんじゃないの モフセン・マフマルバフ監督、何か見ているのではと思って作品一覧を見てみても思い出せません。思い出せるのは、娘のハナ・マフマルバフ監督が撮った「子供の情景」の原題「ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた」が、モフセン監督の書簡集から取られていたことです。その本のタイトルが「アフ...
ドラマづくりの旨さであっという間に引きずり込まれ、心地良い感動と歴史の再認識と 「過去が現在に是正を求めている」弁護士ランドル・シェーンベルク(ライアン・レイノルズ)がウィーンでの調停(仲裁裁判)の場で述べる演説からの一節です。結構いい演説で心に残りました。クリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像(黄金のアデーレ)」が、ナチスによる略奪で違法にオー...
"その人柄と堅実な仕事ぶりから多くの映画監督に愛された"という監督の持ち味がよく出た映画だとは思いますが… ディア・ハンターならぬディア・ウォチャーとヒューマン・ウォチャーの内なる戦いのお話ですかね。といった話は後回しにして、「リョウモウシカ」ですが、本当にいるのかなと思ってググってみましたら(笑)、ヒットしたのが「両毛線 伊勢崎駅付近の線路...
これぞ(懐かしき)フランス映画!という感じがします。ちょっと笑える切なさと挑戦的試みと。 これは素直に面白いです!主演のヴァンサン・マケーニュさんは、ギヨーム・ブラック監督の「女っ気なし」「遭難者」「やさしい人」、それにミア・ハンセン=ラヴ監督の「EDEN エデン」にも出ていましが、IMDbを見てみましたら、2013年辺りからすごい出演数ですね。「女っ気なし」で俳...
ワンカットごとの構図がきれい。ラストカットも秀逸!いいわ、これ。 昨年公開された「イブ・サンローラン/ジャリル・レスペール監督」とほぼ同時期に製作されているんですね。日本での公開も同時にすれば相乗効果でより入ったのではないかと思います。まあ誰もが考えることですので、そうならなかった何か訳でもあるんでしょう。ただ、そちらの方は見ていませんので比べて何か書くことはで...
もうそろそろ神は在るかなどという不毛な問いには終止符を打ちましょうよ ネットに「おそロシア」という言葉がありますが、この映画、そのまんまですね。それにしても一体いつの時代?と言いたくなるような設定で、いくら地方とはいえ、ロシアには今でもこんな地域があるのでしょうか?もちろん程度の差こそあれ、似たようなことはどの国にだってあるとは思いますが、それにしてももう少しメ...
映画の本筋からは離れますがあんなに簡単に心変わりする大衆ってそれが皮肉であればいいのですが いきなり大仰な音楽に、3人の男女が大理石の床に靴音を響かせながら歩いてきます。女性の首から胸にかけての蛇のタトゥーがかなりのインパクトです。初老の男はやや疲れ気味の様子(と後から考えればの話)で大きな音(効果音)を立て鞄を床に置き靴紐を直します。そして男はトイレに行きたいと...
人間みんなバードピープルですよ。 予告を見た印象ではもっとファンタスティックな映画かと思っていましたら、結構シリアスで、ちょっと不思議な感じの映画でした。ファンタジーをイメージしたわけは、主役の役名がオドレイで、演じているのがアナイス・ドゥムースティエときていて、似ているわけではないのですが、なんとなく「アメリ」のオドレイ・トトゥが浮かんでしまい、きっとアナイス...
写真に興味をもつのは当然だけれど、ナニーという職業にも ヴィヴィアン・マイヤーさんが現代に生きていたら、自分の写真をネットで公開したんでしょうか?つまり、たくさんの人に見て欲しいと思っていたけれど方法がなかったのか、単に趣味として撮っていただけでそもそも人に見せる考え自体がなかったのか、あるいは社会的に写真家という存在が認知されていなかったのか、という意味での疑問...
これはどうも少年と犬の話ではなく馬鹿な大人の話のようだ このところ何やかやと話題になるトルコですが、映画で言えば、最近では「雪の轍/ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督」を思い出します。ロケーションはカッパドキアでしたが、内容はトルコっぽさ(よく知りませんが)はあまり感じられず、どちらかと言いますとヨーロッパっぽい視点の映画でした。それに比べますとこの「シーヴァス」には土...
あのナポレオン・ソロがティモシー・エベレストとジョージ・クレバリーを身につけ帰ってきた! 「0011ナポレオン・ソロ」懐かしいですね! あらためてググってみますと、TV版の原題も「The Man from U.N.C.L.E.」だったんですね。1966年から70年にかけて放送されていたそうです。「スパイ大作戦」とともによく見ていました。あの頃は西部劇からワンシチュ...